2階の窓の手すりに設置してあるAtomCam(防犯カメラ)で流星が撮れる。写真は昨日の明け方出た火球に近いオリオン座流星群の流星。ピークは今日と明日あたりだが,これまた天気がダメそうだ。まあでも季節は進んで来週ぐらいから秋晴れというか冬型の気圧配置で澄み渡った空が望めそうである。レモン彗星も見られるだろう。
昨日は「民芸~理論の崩壊と様式の誕生」出川直樹著,新潮社を読んだ。以前益子に行ったとき,浜田庄司の益子参考館に行ったりしたし,その時買った益子焼の小鉢を毎日使っている。民芸調の焼き物は好きある。日本民芸館も一度訪ねたことがある。多分民芸は人気があり,いわゆる人口に膾炙するというやつだ。しかし,この本で指摘されているのは,民芸の創始者である柳宗悦の主張は矛盾だらけだということ。柳には膨大な著作があるようで,作為のない無名の陶工による素朴な陶器にこそ美しさがある,という理論なのだが,いかに実用的に用いられていようと大量生産でない普段使いの器だとしても,何かしら形や釉薬や染め付けに美しさを出そうと努力しない陶工もいないだろうし,名もなき陶工からでないと民芸の美は作られないと言っているが,浜田庄司のような作家がいることなど矛盾しているというのだ。その理論はある種の宗教の教理のようで,結果的には柳の審美眼にかなうもの,好みでしかないという。確かにその通りで,まあ理論はそうでも,浜田やバーナードリーチなどが関わったその運動は,原点回顧主義的に受け入れられて,民芸様式は一般化したという話である。最後の方で,西洋のアールヌーボーとの共通点や相違点を考察しているのも面白かった。焼き物には興味があって,一度多治見で作陶したこどがあって,釉薬の出方が不思議でまたやってみたいと思う。さらに趣味を増やすのもどうかとも思うのだが。