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日本の地形のでき方について,新たな説を提唱している高橋雅紀さんによる3冊目の本の刊行記念トークイベントがあって,アーカイブ配信を視聴した(10月22日)。1冊目が分水嶺の謎,2冊目が準平原の謎,で今回となるのだがどれも400ページ近くあって要約すると川の浸食でなくて海の浸食作用で谷の地形ができた,ということである。ご本人もこれは常識を覆すものとして通常の雑誌に論文として書いても却下されると見越して,本の執筆で世に問うているそうだ。トークの内容は,本の内容でなく,科学におけるこれがまさにパラダイムシフトで,そのことを理解してもらいたい,という思いが伝わってくる話だった。以前メールで,私の知る何人かの地形学の先生に,みごとに無視されたとおっしゃっていたので,確かにこの仮説が受け入れられるには,相当時間がかかるだろう。私は支持しているつもりである。次の本が「河岸段丘の謎」だそうで,ここで地形学者と言われる人たちにも問題意識が生まれるんじゃないかと思っている。